その昔ジーヤンツに
上田和明という選手がいた
タイプとしては井端とか柴田とか
守備型の2番打者タイプ
いやいや、そこまでの守備力はなく
なぜにこの選手がドライチだったのか
当時の監督、藤田元司氏や
オーナーだった正力亨
その後輩にあたる慶応出だったことから
学閥による縁故入社
そんな辛辣な声も
多かったように記憶している
そんな上田が8年間のプロ通算で
打った本塁打はたったの5本
ただ、しかしながら…
なぜかそのうちの1本が
対大洋戦の延長12回
現スカウトの欠端から放った
決勝の1発だったとか
そんな悲劇もあったりするのである
以前から申し上げている通り
自分はガッチガチの
オカルト派にして流れ論者
こんな悲劇も
言うなれば必然
起こるべくして起こった
予定調和の一発だと思っているのである
予期せぬ伏兵の一発
出合い頭のホームラン
それが、既に勝負の決した
どうでもいい場面で飛び出すか
緊迫した展開の中で
貴重な1本として後世に語り継がれるか
ここは数値で表すことの出来ない
セイバーでは語れない
野球の面白さ…
いや、
我々の感覚で言えば
面白くもなんともない
野球の怖さ
悲劇
悲痛
屈辱
憤慨
そっ閉じ…
通算5本のうち1本のホームランが
試合を決めたジーヤンツと
同じくプロ通算6本塁打の選手が
1試合3発の狂い咲き
そんな試合を
しっかり落としている
我らが大洋
これこそが抗うことのできない
" 定め " であり " 運命 "
自分は…
いやいや
多くの大洋ファンは
そんな劣等感を抱きながら
ある者はファンであることを隠し
ある者は自分を偽って
人の目を避け
日陰の道を歩んで来たのである
今、チームは8連敗中
9回2死まで漕ぎ着けながら
ルーキーに逆転弾を喰らうという
悪魔のような結末
ラミレス監督への非難
ヤスアキへの憤慨
いろいろと目には入って来たが…
それでも自分は擁護しよう
肩を抱こう
甘過ぎる？
老害？
いやいや
そんなんじゃない
今は亡き近藤監督のクソ采配に
谷繁の幼稚なリードに
キレまくっていた
あの時代
津田沼の狂犬
湾岸のジャックナイフ
触るもの皆傷つけた
若き日々よ
もし、あの時代にSNSが発達していたら
きっとおぞましい文言を
全世界に撒き散らしていたんだろう
そんな自分ではあるが
年輪を重ねて
分かって来たことがある
肌で感じていることがある
節目はあの日
あの打球
初めてCSに進出し
ファイナル進出を決めた東京ドーム
1点を追うジーヤンツ
延長11回、主砲・阿部の放った打球
当たりも角度も文句なし
本来であれば
お約束の逆転サヨナラ
やはりそうかと
ガッカリその場に座り込んだ
そんな打球がまさかの失速
ライト関根のグラブに収まった
その瞬間
鈍臭い、ぬるま湯球団
セ・リーグ屈指の咬ませ犬…
そんな宿命から
解き放たれたのだと
いや、それも違う
解き放たれたのではなく
解き放ってくれたのである
筒香キャプテンを中心とする
優秀な若い選手達が
ハマスタを愛と活気で埋め尽くす
若い世代のファンの方々が
この流れの行き着く先は
間違いなく
ハッピーエンド
主役なんだよ
持っているんだよ
筒香もヤスアキも
そして、ファンの皆さんも
日陰者の自分達には
眩し過ぎる
立派な立派な息子達よ
だからこそ
10連敗しようが
20連敗しようが
どんな暴言が飛び交おうが
何もかも温かく見守りたいのである
感謝を込めて応援したいのである
それこそが
我らが主筆の
湾岸クライシスの
ちっぽけなプライド
忠義の甲冑にして唯一の編集方針よ！
さあ、皆の衆！
そろそろ出番かも知れんぞ！
我ら老兵が盾となる
そんな時が来たのかも知れんぞ！
アップはいいか？
忘れ物はないか？
錆びた剣を研ぎ
埃の被った鎧を纏い
今こそ戦場の露と消えようぞ！
かすれた声で勝どきを上げようぞ！
戦場は
東京ドームじゃっ！！
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