つい、
昨日のことである
自宅からほど近い
俗に町中華と呼ばれるお店で食事をした
かなり高齢の老夫婦が営む
テーブル席4つほどの
小さくも居心地の良い
昔ながらの定食屋
ラーメンも定食も
どのメニューも700円前後
材料費も光熱費も
値上がりの激しい昨今
もう少し価格を上げてもいいのではと
過度な心配するあまり
最も利益が取れるであろう
瓶ビールを出来る限り頼もうと…
頼もうと…
いやいや、
ビールをオーダーすると
よっこらしょと、
段差のある座敷に上がり
奥にあるであろう冷蔵庫から
重そうにビール瓶をかかえて運んでくる
そんな光景を見てしまうと
忙しい最中、流石にもう1本とは言い難く
お会計の際には、
全品100円は値上げしても良いですよと
毎度毎度、
心の中で呟きながら
素っ気なくご馳走様と
店を後にすることの繰り返し
やや、説明が長くなってしまったが
そんな定食屋さんにおいて
支払いのお釣りと共に
小さなチョコレートを頂いた
「クリスマスですから」と
スーパーの特売で売っているような
大袋に入ったひと粒のチョコ
えっ、嬉しいです
ありがとうございますと
満面の社会人スマイルで
頭を下げて受け取ったものの
このチョコを頂こうが頂くまいが
また暫くしたら暖簾をくぐり
いつものように
ビールと餃子を頼むんだろう
クリスマスだから
クリスマスですから
そんな言葉を聞いて
ふと、昔を思い出した
安かったからね
前によく食べてたよね
さして美味しいとは思えない
子供心に胸踊らない
そんなお菓子を
出掛ける度に買って来た
とうの昔に亡くなった
おばあちゃんがしてくれた心遣い
そうか、
そうなんだよね
今になって分かってきたよ
沁みてきた
歳を取るということは
きっと、こういうことなんだろうなあ
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