中井に武藤
共に戦力外という境遇から
ベイスターズに拾われ
手薄な内野陣のバックアップとして
負担のかかる中継ぎ陣の一角として
チームの足りない部分を埋め
十分過ぎる働きをしてくれたと
誰もが感謝し
敬意を払い
温かい拍手を持って
その背中を見送ったことだろう
スター選手でなければ
生え抜きでもない
そんな脇役に用意された
分不相応な引退セレモニー
この光景に
何かを感じて
誰もが心の奥底に
思うところがあっただろうと
想像にかたくないのは
宮崎とか大和ようなベテランでもなく
引退という特異な光景を初めて目にする
牧くんでも森くんでもない
ジーヤンツにドリャゴンズ
最後まで見送ってくれた
中井や武藤と同世代にして
同じ釜の飯を食ってきた仲間達
明日は我が身
戦力外という死刑宣告が
いつ自分の身に
降りかかってきてもおかしくない
ひと足早く宣告を受け
ひと足早く地獄を見た
そんな彼らがスポットを浴び
幸せに現役生活を終えようとしている
何かを感じない筈がないし
何も思わない筈がない
外様も生え抜きも関係なく
チームに貢献してきた選手に対して
花道を作り
送り出す
どうせ最下位だから
どうせ消化試合だから
集客だとか
イベントだとか
そんな志の低い
発想でないことを祈りたい
本人もご家族も
球団に、ファンの方々に
どれだけ感謝してくれたか
想像に難くないだろう
初冬の空に散った
花火の硝煙に
引退セレモニーを見守る
選手達は何を見たのだろうか
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