さてさて、新型コロナの猛威に全世界の生活様式が一変してしまった、激動の2020年も早いもので今日が最終日。我が湾岸クライシスも、今年最後の更新と相成ります。
何もネタは用意しておりませんでしたが、深夜の酔いにも任せて、今年で5年間に渡る監督生活に別れを告げた、ラミレス前監督について語ってみたいと思います。
少しだけ長くなるかも知れませんので、お時間に余裕のある方のみお付き合いを頂き、お忙しい方は、また暇を持て余した時にでも寄って頂ければ幸いでございます。
ラミレス監督と言えば申告敬遠に8番投手。徹底してバント否定とか、投手を打席に立たせてからの即交代とか。その独特の采配は裏目に出ることも少なくなく、多くの非難を浴びてきたのは皆様御承知の通り。自分が大嫌いだったブルペンデーとかオープナーなども含め、首を傾げることも一度や二度ではありませんでした。
それでも愚将かと問われたならば、即座に「否」と答えるでしょう。しっかりと成果も残してくれました。ただ、結果とか実績とかを基準に考えるとしても、人によって物差しは様々です。5年も監督を務めて優勝出来なかったから無能だという、仮にそんな評価があったとしても、その全てを否定することはできません。
選手時代のラミレスと言えば、よく打たれたなあ、という印象以上に、あの数々のパフォーマンスがまず頭に浮かんで来ます。
好きか嫌いかと言われれば、こちらも迷うことなく「大っ嫌い」と断言を致します。ゲッツだの、アイーンだのと、控えめに言って反吐が出る、日本の野球、日本のファンを舐め腐ったクロマティの系譜だと。メジャーであれば次の打席には頭を目掛けてビンボールが飛んで来るところでしょう。
いつだったか、ヤクルト時代の開幕間もないベイスターズ戦で、当時クローザーだかセットアッパーを務めていたギャラードから逆転スリーラン。その時のお立ち台に加トちゃんのハゲヅラみたいなのを被って出て来た時には、今から神宮に駆け付けて胸ぐら掴んでやると…普段は温厚な自分が本気で怒り狂ったことを昨日のように覚えています。
そんなラミレスが監督に就任とか。
まあ、最晩年期とは言え、ベイスターズのユニフォームに袖を通してくれた以上はOBであることには変わりません。その頃には好きとか嫌いとか、特には感情もなく、前任のキヨシ監督が多くの支持を得ていたことから、チームカラーに合った明るいキャラクターの方を監督に。という、親会社の判断なんだろうなと、その程度の認識で監督就任を受け止めていたと記憶しています。
その就任1年目、序盤は継投ミスなど、キャリア不足を感じさせる場面もありましたが、年間を通して野手の起用や投手の運用など、随所に独自の色を出しながら、ファンの方々の悲願であったCS初進出を果たします。特に伝説とも言える10.10東京ドームでの巨人戦の死闘は、長い球団史においても間違いなくベストバウトというべき試合だったのではないでしょうか。
嶺井の決勝打から、誰もがやられたと思った阿部慎之助の一打が関根のグラブに収まった時の感動。98年の歓喜の優勝を知っている世代の人間にとっても、あの時の興奮を遥かに凌ぐ熱い涙を流すことが出来ました。
試合を観戦した後、一杯ひっかけて…家に戻って風呂場で一人、震えながらビールを頭から浴びたのはここだけの話です。
そして、翌年も3位ではありましたが、甲子園における、此方も伝説と言うべき雨中の激闘、更には敵地広島で昨年の借りを返してCSを制覇。日本シリーズという夢のような桃源郷に足を踏み入れるに至ります。
このCSファイナルでラミレス監督は今永をリリーフで起用するという奇策(今となっては、如何にもラミレスという采配ですが)で、強打のカープ打線を抑え込みます。この成功体験は、監督として自分の信念を貫くことに、大きな自信と確信を得た瞬間だったのではないでしょうか。
更に日本シリーズの6戦目には、誰もがまさかとビックリした白崎のスタメン起用、そして特大のホームランという、選手を見極める恐ろしいまでの眼力を披露してくれました。その眼力は後に、佐野というシンデレラボーイを見出すこととなります。
こうして過去を振り返ってみると、思い出すのは楽しいことばかり、勿論、今年も含め悔しい結果に終わったシーズンもあることは事実です。
だけどね、
多分、それが良いと思うんですよ。
人生、上手くいくことばかりじゃない。監督の采配だって裏目に出ることもあれば、選手だってミスをすることがある。勝って笑って、負けて泣いて…まさしくラミレス監督が言うところの「トゥモロー・イズ・アナザーディ」これ程、大洋気質…いやいや、ベイスターズファンの気質にマッチした言葉はないと思っています。
どんなに悲惨な負け方をしても、一夜明ければポジティブに笑い飛ばしたり、自虐的なネタに転嫁したり。
こんな素晴らしいファンの方々が背中を押してくれるのも、ハマスタを拡張するほどまでに、連日満員のお客さんが詰めかけてくれるようになったのも、前任のキヨシ監督を引継ぎ、ファンの方々の心を揺さぶるような、楽しい野球を提供してくれたからに違いありません。
3夜連続のサヨナラ勝ちとか、3連発で逆転サヨナラとか、代打ウィーランドとか。そんなド派手で劇的なドラマばかりでなく、ラミレス監督独特の采配を考察しようというマニアックな層には、セイバーなどの数値を元にその根拠を推理するという深い楽しみ方もあったのではないでしょうか。
そう、この5年間、ラミレス監督は僕らに最高のエンターテイメントを提供してくれたのです。賛否両論あるかとは思いますが、それこそが野球を見る楽しさ、醍醐味のひとつだと思っています。
ベイスターズの監督らしい監督。
球団は最高の人選をしてくれたと思います。
それでも、ラミレス監督のことですから、本人はベイスターズの監督を、今後の野球人生における、内外に向けたプレゼンの機会というような捉え方をしているのかも知れません。5年間見てきて、そのくらいクレバーな人だと自分は考えています。
また、ラミレス監督の退任と時を同じくして、この5年間における功労者とも言えるロペス、石川、梶谷、井納といったベテランがチームを去ることとなりました。三浦大輔の監督就任と共にひとつの時代が終わり、新しい時代が始まったということでしょうか。
次にラミレス氏と関わる時は、敵味方として戦うことになる可能性が高いような気がします。
そんな気がしますが…
12球団の選手やそのデータを知り尽くし、選手を見極める能力に秀でた上に発信力があって、時には非情な決断も出来る。その人間性を含め、個人的に以前からGMこそがラミレス氏に最適なポジションではないかとも思っていたりします。
話しは尽きませんが、そろそろ飽きてきましたよね。この辺にしておきましょう。敵か見方か、またいつかお会いしましょうね。
さて、今宵は長々とお付き合いを頂き
ありがとうございました
何と湾岸クライシスも
来年は9年目に突入致します
前記の通り、
ラミレス監督の尽力もあって
津田沼の狂犬と恐れられた我が舌鋒は
仏のぬまつだと呼ばれるほどに
慈悲深く寛大になりつつも
いざとなれば
物置の肥しとなっている
甲冑の埃を祓い
錆びついた剣を片手に
先陣を切る所存
またそんな日が来るのか、来ないのか
皆様とともに
見守って行きたいと思います
一年間愛顧にあずかり
誠にありがとうございました
時節柄、くれぐれもご自愛の上
晴れやかな新年をお迎えになられますよう
心よりお祈り申し上げます
2020年12月31日
株式会社湾岸クライシス
CEO兼主筆
ぬまつだ恒雄
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