少しだけ…
ほんの少しだけだが
歳をとったせいだろうか
やけに涙もろくなった自分がいる
馴染みの店で働いていた留学生が
国に帰ると聞いて涙して
身動きのとれない朝の総武快速で
お年寄りに席を譲る若者を見て涙する
なんだ？
なんなんだ？
年齢と涙腺の緩さは比例するのか？
人生を経ることによる様々な経験値が
涙の守備範囲を広げるということか
あのロマックの打席では
毎打席、大粒の涙を流す準備をしていた
昨年の日本シリーズ第6戦では
白崎をテレビごと抱きしめるつもりだった
そうか、
泣くんじゃない
泣きたいんだ
世知辛い世の中にあって
社会という荒波に揉みくちゃになりながら
我がキャラバンが追い求める
束の間のオアシス
辿り着きたいのだよ
人目を憚らず
泣きはらしたいのだよ
あのダメっ子
国吉が
カットボールという武器を手に
一軍昇格の報を受け取ったという
そうか
頑張ってるな
こんなニュースに触れただけで
早々とウォーミングアップを始める
我が涙腺よ
そう、
この肩は
あっという間に温まるんだぞ
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